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家族の生命保険料控除を

使ってもよいですか?

確定申告会場で所得税の申告書の作成を相談すると、「家族の保険でも、生命保険料控除に入れても構わない」と言われたことはございませんか?

結論から申し上げますと、確定申告で家族の生命保険料を自身の生命保険料控除に入れても、生命保険料控除の計算上では誤りではございませんが、相続税の申告ではリスクのある行為です。

どうして、そもそも生命保険料控除で入れられる範囲はどこまでなのか、相続税の申告でどのようなリスクがあるのか、相続税専門の税理士が詳しく解説いたします。

家族の生命保険料控除を
使ってもよいですか?

生命保険料控除の
対象となる契約は

国税庁のホームページには、妻の保険の保険料を夫が払っているなら、夫の生命保険料控除の対象になると書いてありますし、所得税の確定申告の処理では間違っていません。

生命保険料控除には、生命保険料控除(一般)・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3つの区分がございますが、生命保険料控除の対象となる契約は次の通りです。

受取人についての規定はございますが、実は契約者が誰であるのかの要件はございません。

そのため、受取人が対象の範囲の人であるならば、契約者が家族であっても、生命保険料控除の対象になるとは言えます。

生命保険料控除(一般)

生命保険料控除(一般)の対象となる保険契約のうち、保険金等の受取人が保険料等を支払っている人又は配偶者、その他親族(6親等内3姻族)であるものです。

もし、受取人が元妻など親族に該当しない場合は、対象外です。

介護医療保険料控除

介護医療保険料控除の対象となる保険契約のうち、保険金等の受取人が保険料等を支払っている人又は配偶者、その他親族(6親等内3姻族)であるものです。

受取人の範囲は、生命保険料控除(一般)と同じです。

個人年金保険料控除

個人年金保険料控除の対象となる保険契約のうち、年金の受取人が保険料等を支払っている人又は配偶者であるものです。

相続税の申告で
何が問題になるのか

国税庁の統計資料によると、平成30年分では、お亡くなりになった人の人数から見て、相続税の申告をした人の割合は8.5%(税額なしを含むと10.9%)です。

東京都・大阪府・愛知県など都心部の相続税の申告書の提出割合は、これより高くなります。

相続税の申告で計上すべき財産は、お亡くなりになっていた人が支払っていた死亡保険金(非課税枠あり)以外にも、次のものが対象です。

  • お亡くなりになっていた人が保険料を支払っていた家族の保険(保険料を贈与していない場合。お亡くなりになった日時点で解約した金額相当額で計上)
  • 相続(遺贈)で財産をもらった人が過去3年以内にもらった財産(保険料等を含む)

保険契約に関する権利については、詳しくはこちらをご覧ください。

保険に関して、相続税の申告で財産計上するポイントは、次の通りです。

  • お亡くなりになった人が保険料を支払った保険でないか
  • お亡くなりになった人が家族の保険料を支払っていた場合、支払い時点で贈与は成立しているか
  • お亡くなりになった人が保険料を支払っていた保険で、過去に家族が満期保険金・解約返戻金等を受け取っていないか

相続税の申告は、保険証券に契約者として記載されている人が誰であるかよりも、お亡くなりになった人が保険料を負担しているかに着目して、財産計上が必要か判断します。

そうすると、お亡くなりになった人が家族の保険料を支払っていて、毎年自身(お亡くなりになった人)の確定申告で、生命保険料控除として申告していたら、相続税の申告ではどうなるでしょうか。

相続税の申告では、家族が契約者でも、お亡くなりになった人が保険料を払った保険として、生命保険契約に関する権利として、財産計上(お亡くなりになった日時点で解約した金額相当額)することになります。

税務調査の際に、実際に家族が保険料を贈与してもらっていたと主張しても、確定申告でお亡くなりになった人が保険料を払ったものとして生命保険料控除を使っていますので、家族への保険料の贈与の主張は聞き入れられることが難しいでしょう。

また、お亡くなりになった人が家族の保険の保険料を支払っていて、満期保険金や途中で保険を解約したお金を家族が受け取っている場合も、お亡くなりになった人で生命保険料控除を使っていると、満期保険金等を受領した時に贈与があったと税務署に判断される可能性が非常に高くなります。

家族の保険の保険料を
贈与するにはどうしたらよいか

最近では本人確認が厳しくなってきましたが、まず保険は必ず契約者本人で締結しましょう。

保険料は、契約者(家族)が自身で管理している口座からの引き落としにします。

保険料を贈与するならば、贈与契約書をその都度作成し、契約者(家族)が自身で管理している口座に振り込みます。(可能であれば、公証役場で贈与契約書に確定日付のスタンプを押してもらうと、なおよいです。)

贈与の際は、お金をあげる人ともらう人が贈与があったと認識が必要ですので、片方の人に意思能力が欠けていたり、当事者以外がお金を移動させたりしている場合は、贈与ではないと税務署に判断される可能性がございますので、ご注意ください。

また、保険料相当額を毎年、贈与することが前提になっていると、最初の贈与の時に定期金に関する権利として、贈与税が課税されるおそれがございます。(定期金に関する権利は、毎年一定額を取り決めした年数でもらう権利です。)

そのため、保険料相当額の贈与ではなく、異なる金額で贈与する方が望ましいでしょう。

そして、確定申告の際は、生命保険料控除は、自身が契約者になっている保険契約だけ適用するようにします。

そうすると、家族の保険の保険料を贈与しても、相続税の税務調査の時に問題になる可能性を大きく減らすことができるでしょう。