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相続人が認知症の場合
2012年時点では65歳以上の人のうち、約7人に1人(15.0%)が認知症でしたが、2025年には約5人に1人が認知症になるとの推計(内閣府 平成29年版高齢社会白書より)がございます。
遺言書がない状態で、相続になると、相続人が遺産分割協議により財産を取得します。
遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要で、1人でも欠けていると無効になります。
また、遺産分割協議は重要な法律行為ですので、相続人全員が意思能力を有していることが必要です。
相続人が認知症で、遺産分割協議が必要な場合、どうすればよいか解説いたします。
遺産分割協議は相続人全員が意思能力を有していることが必要です。
もし、1人でも意思能力がない場合、遺産分割協議から何年経った後でも、無効の主張が可能になります。
認知症と診断されている場合、一時的に回復(意思能力がある)とした医師の診断書がない限りは、意思能力がないものと判断されます。
認知症の診断がなく、意思能力が遺産分割協議時にあったことを証明したい場合には、医師の意見書や本人・親族の日記、日常生活を撮影したビデオ等を残しておく方がよいでしょう。
相続人が意思能力がない場合は、成年後見制度を利用する必要があります。
その場合には、その相続人の住所地の家庭裁判所に後見開始の審判を申し立てます。
申し立ての際の裁判所の手数料は3,400円(申立手数料800円、登記手数料2,600円)が必要です。必要な書類などは家庭裁判所のホームページをご確認ください。
成年後見人は裁判所が選任しますので、親族以外の第三者(司法書士や弁護士等)が選任される可能性があります。成年後見人が選任されると、意思能力が回復しない限りは、その人がお亡くなりになるまで成年後見人が財産を管理しますので、第三者が選任されると、第三者への報酬の支払いもずっと続きます。
申し立てから選任までおおよそ2ヶ月かかりますので、必要な場合は早めに司法書士や弁護士等にご相談の上、お手続きされることをお勧めいたします。
成年後見人選任後に遺産分割協議をします。
成年後見人が選任された相続人に関しては、法定相続分の取得になります。
それは、不動産や預貯金もそれぞれ法定相続分で取得することを意味するのですが、もし不動産を売却したい場合でも裁判所の許可が必要になりますので、注意が必要です。
また、相続税の申告も成年後見人が行います。
あらかじめ、遺留分に配慮した遺言書を作成しておくか家族信託をしておくことをお勧めいたします。
法定相続分で取得すれば、遺産分割協議は不要ですが、金融機関での手続きに支障をきたす可能性はあるかと思われます。